石のすヽめ

あっという間に一年が過ぎそう。

「やっほー、久しぶり!そちらはいかがお過ごしでしょうか?」帰ってこなくても毎回またねを言ってしまうし、身体がないのにどう過ごしてるかどうかなんてわかるわけがないのに毎度脳内で訪ねてしまうフレーズ。

お墓参りで墓石を見る度に私は最後にどこに入るのかなぁとか、出来れば散骨がいいけどそういうのもちゃんとした手続きを踏まないといけないのかなとなんとなしに調べてみたら骨が2mm以下のパウダー状になっていたら大丈夫らしいというのを知った。
条例によっては散骨を禁止しているところもあるそうな。漁をしている近くはご法度。そりゃそうだ。

散骨のためだけに船のチャーター代やパウダー状にする費用などを考えると、普通にお金がかかりそうだなと妙なところで現実を見た。

お墓参りって、どう足掻いてもしんみりした気持ちになってしまうのでお墓の良いところを考えてみる。

墓石の柄って、オレオのアイスみたいで美味しそう。これはお墓の良いところ。夏場の周囲は照り返しが激しくキラキラと輝いている。まぶしいやつめ。

 

最後に帰る場所があるのはほっとするだろうけど、帰る場所は決まっていない方が自由気ままな感じもする。

ただ、母にとって最後は父と同じお墓に入れるという安心感のようなものはあるんだろうなと彫りたての名前を眺める顔を見て思った。

居なくなったことを認めるのはこれからもまだまだ時間が必要で、その人がいない違和はどうしようもないし、誰にも埋めようがないけれど

自分の最後に、大事な人と一緒のところへ帰れるというのはとても温かいことだな。

少し前までは人に話すとしんどくなったりしていたのが、最近では人との会話の中でナチュラルに親の話を出来るようになっている。悲しいを消化して生活が出来ていると思いたい。